今日、企業が直面している最大の課題のひとつは、品質と利益の両方を犠牲にすることなくカーボンニュートラルなサプライチェーンを構築することですが、その最も効果的な方法のひとつは二酸化炭素排出量の多い部品や工程を環境への影響が少ないものに置き換えることです。

今日、企業が直面している最大の課題のひとつは、品質と利益の両方を犠牲にすることなくカーボンニュートラルなサプライチェーンを構築することですが、その最も効果的な方法のひとつは二酸化炭素排出量の多い部品や工程を環境への影響が少ないものに置き換えることです。

このため、製造業の中でも多くの自動車メーカーが二酸化炭素排出量を大幅に削減することが証明されているTAPTITE PRO®スレッドローリングファスナーのようなセルフタッピングファスナーに注目しています。

スレッドローリングファスナーへの切り替えによってどれだけの二酸化炭素削減効果があるかを定量化するため、米国自動車研協会(USCAR)は、「鋳造後の鋳抜き穴へのスレッドローリングファスナーの適用による機械加工の排除 - プロジェクト番号:FAS 1005)」と題する研究を実施し、自動車用と非自動車用の両方の用途における二酸化炭素削減量の推定値を算出しました。

USCARは報告書の中で、自動車産業がTAPTITE PRO®ファスナーに移行した場合、二酸化炭素とエネルギーの削減量は「少なくとも年間5兆BTU*の電気エネルギーの削減が達成され、少なくとも87百万トンの二酸化炭素相当量が削減される」と推定している。

注: BTU – 英熱量単位、1 BTU = 0.29WH(ワットアワー)

この結果を明らかにするためにUSCARのチームは次のような計算を行いました。

「一般的な自動車のパワートレイン(エンジン、トランスミッション、リアアクスル)は500本以上のファスナーを使って組み立てられている。これらのファスナーの少なくとも60%はスレッドローリングファスナーによる置き換えが可能である。米国のある自動車メーカーにおける独自のプラントエンジニアリングの研究では、パワートレイン工場における機械加工は、1台(車両)あたり900,000 BTUを占めると推定されている。また、そのエネルギーの30%は、ドリル穴とタップ穴の加工によるものと推定された。仮に、ドリル穴とタップ穴の60%をなくすことができたと仮定すると、典型的な自動車パワートレインのエネルギー節減の計算は次のようになる:

900,000 BTU/台×30%×60%=162,000 BTU/台。

北米でパワートレインが年間1,600万台生産されるとすると、その結果節約できるエネルギーは次のようになる: 162,000 BTU/台×1,600万台/年=2兆5,900億BTU/年

コントロールアーム・サスペンション等のシャシー部品、大型鋳物を使用するインナードア・リフトゲート・アンダーフードアタッチメントとサポート等のボディ部品、インストルメントパネル・ステアリングコラム・シート構造と付属品等の内装部品組付けにおいて、スレッドローリングファスナーに置き換える候補がさらに200本あると仮定した場合、潜在的なパワートレイン節減と同程度のエネルギー節減が達成できれば、さらに1兆7,300億BTU/年を実現できる。

従って、確認された直接エネルギー節減の合計は4兆3,200億BTU/年である。スレッドローリングファスナーの使用により発生する不要部品の廃止により、以下の例のようにさらなるエネルギー節減が可能である:

  • ロックワッシャーのような緩み防止部品やロックタイトのような接着剤の製造エネルギーの削減。
  • ドリル・タップ・検査機器・ゲージの廃止によるそれら工具製造エネルギーの削減。
  • マグネシウムダイカストにアルミニウム製スレッドローリングファスナーを使用することによる腐食防止用絶縁ワッシャー・スリーブ・セパレーター等の部品とそれらの製造エネルギーのさらなる削減。
  • 使用部品点数の削減による組み立て作業エネルギーの削減。

また、切粉や切削液の再処理・廃棄が不要になることでさらなるエネルギー節減が可能になる。最後に、新しいモデルラインや工場用地において、マシニングセンター・オートメーション・切粉やクーラントの処理のための建物スペースを確保する必要がないことから生じるエネルギー節減は、1回限りではあるが大きなエネルギー節減となる。

北米の自動車産業でこの技術が全面的に導入されることで、最終的には年間5兆BTUTU以上のエネルギー削減が実現可能と思われる。」

そしてUSCARのチームは、米国エネルギー省の省エネワークシートの二酸化炭素排出率 - 1兆BTUあたり炭素換算19千トンを用いて、次の換算率を算出しました。

その結果、炭素換算87百万トンの温室効果ガス排出量削減が可能と結論づけました。自動車以外の用途についても同様の計算が行われ、その結果が以下の表9.1に示されています。

これらの結果は2つの点で企業の役に立ちます。

第一は、二酸化炭素とその他の温室効果ガス排出量の即時削減です。TAPTITE PRO®ファスナーへの切り替えにより製造工程がきれいになり、その結果カーボンニュートラルになる、という企業の意欲的な目標の達成に役立ちます。さらに、TAPTITE® 製品は世界中で数十年にわたる製造実績があるため、切り替えは迅速かつ容易に行えるので、すぐに直接的な結果を計算し報告することができます。

第二に、USCARと米国エネルギー省が行った検証の結果、TAPTITE Pro®ファスナーへの切り替えが二酸化炭素と温室効果ガスの排出量測定を可能にし、環境への総影響を計算できるようになりました。これにより、企業はカーボンニュートラルを目指すための青写真とゴールポストを把握することができます。この切り替えにより、排出量の相殺が容易になると同時に、年間10億5,000万ドルものコスト削減が可能になります(リンク記事はこちら)。

結論として、複雑に絡み合った二酸化炭素や温室効果ガスの削減を達成する方法の中で、ファスナーをTAPTITE PRO®に切り替えることが最も手っ取り早い方法である。報告書の全文は、こちら(報告書リンク)をご覧ください。

また、TAPTITE PRO® スレッドローリングファスナーへの切り替えに関するサポートやアドバイスについては、REMINC|CONTIまでお気軽にお問い合わせください。